iPhoneのSIMロックを無くすべきだと思う
先日(5/27の日記で）iPhoneのSIMロックフリー版を勝手に予想した。
その際は端折って書かなかったが
私はアップルはiPhone商売のやりかたを変えるべきだと思っている。
● ビジネスモデルの遷移
初代iPhoneでは、本体の売り上げと、いわゆ「上納金」がメイン。しかし上納金はキャリア（携帯電話事業者）に評判が悪く巨大市場「中国」を逃してしまう。
二代目（iPhone 3G）では上納金は廃止され本体の売り上げと iTunes/App両Store（以下 Storeと表記）の売り上げが
大きなウェィトを占めるようになる。周辺機器メーカーが払うロイヤリティもバカにならない。
● コスト
初代iPhoneの原価は３万円弱、二代目（iPhone 3G）では２万円弱などと言われている。仮に正確な数字だとしても、算出方法は部品単価を積み上げただけでマーケティングや開発、ソフトウェアのコスト等は勘案されていない。
しかし高機能になった二代目の方が安くなっている。ゼロから創った初代と違い、初代をベースに発展させる形で開発した二代目では部品以外のコストも初代より大幅に下がっているはずだ。
三代目のコストはさらに安くなる可能性が高い。
● キャリアにとってのSIMロック
元々SIMロックはキャリアが自腹を切る形で原価割れの低価格で端末を販売したのに短期間で他キャリアへ移られて自腹分を回収できなくなるのを防ぐのが目的。即解約端末持ち逃げは防げない。
しかし、長期間約束契約（途中解約は高額の違約金）や、端末代分割払いと月々の割引で結果的に端末価格を安くする仕組み（途中解約だと端末の分割払いだけ残る）で、自腹分の回収ができるようになると、キャリアにとってSIMロックは有った方がモアベターではあるが必須ではなくなった。
● アップルにとってのSIMロック
しかしアップルにとっては違う。初代iPhoneの場合はキャリアからの上納金を受け取るためには端末を上納金契約を結んだキャリアに縛る必要がある。アップルにとってSIMロックは必須だった。
ところが二代目（iPhone 3G）はまた違う。上納金制度がなくなりアップルの収益の柱はStoreに移った。ユーザがiPhoneをどこのキャリアで使おうとアップルは収益を得ることができる。
アフターマーケットの収益を期待する場合、端末を売り切ることができないキャリアなどアップルの足を引っ張るだけで独占契約を結ぶ意味がない。端末を特定のキャリアに縛るより、どのキャリアでも利用できるようにした方がアップルにはメリットがある。
アップルにとってSIMロックは無い方がよいものになった。
● SIMロックフリーのへの障害
三代目iPhoneがSIMロック無しで販売されるのにどのような障害があるだろう。
（１）端末価格
二代目はアップルからキャリアに５〜６万円で卸し、キャリアが自腹（インセンティブ）を切る形で２万円程度でユーザに販売されたと言われていた。しかし元々の製造原価はかなり安い。しかも初代より高性能な二代目の方が原価が安くなっている。三代目では原価はさらに安くなっているだろう。アップルが上乗せする利潤を欲張らなければキャリアのインセンティブに頼らなくても従来と同程度の価格（２万円台〜３万円台）で販売できると思われる。
そもそも本体販売後のアフターマーケットで収益を上げようとするならばゲーム機ビジネスやプリンタービジネスのように本体原価割れの戦略価格で販売するという選択肢すらあるのだ。
アップルはそこまではやらないだろうが本体販売は黒字になりさえすれば大きな利益は必要ないのだ。
（２）料金コース（料金）
従来多くの場合（少なくとも日本では）、パケット定額の対象はキャリア主導規格の端末ので、海外で企画されたスマートフォンやSIMロックフリー端末、外部接続でＰＣ用モデムとした接続は対象外とされてきた。
しかし最近はその制限も緩んで来ているようだ。
それにキャリアがインセンティブを負担して安くなった端末を料金面で優遇し、キャリアの負担０のSIMロックフリー端末を冷遇するというのは理屈に合わない。
この辺はキャリアがiPhoneユーザを取り込みたいと思えばそれないの対応をしてくるだろう。
というわけで、三代目iPhoneはSIMロック無し、特定キャリアの独占無しで発売すべきだと思う。
初代iPhoneが発売開始される前、iPhone１台買ってSIMを差し替えれば世界中で使えるって思ってた。
でも実際にはSIMロックがあるので訪れる国ごとにiPhoneを買わなければならない（でなければ割高なローミング）。（訪れる国ごとにMac買い換えるか？）
どこかのガラパゴス携帯ならいざ知らず、世界中で単一モデルを発売するiPhoneならSIMロックフリーが当たり前の姿だと思う。
