カタストロフィ債ってナニ?

日曜の朝のワイドショー(?)でカタストロフィ債について触れていた。「他人の不幸さえ金儲けの道具に・・・」的な発言で、それを聞いた人には「人々が不幸になると儲かる仕組み」と聞こえたと思う。
しゃべった局アナもそう思い込んでいたか、あるいは故意、にそう聞こえる言い方を選んだのか・・・



カタストロフィ債以前は、

人々は保険に入る=保険会社は保険を引き受ける
(ケースA)大災害が起きない(小さな災害は起きても)→保険会社はそこそこの保険金を支払い、十分にに儲ける。

(ケースB)大災害が起きる→保険会社は莫大な保険金を支払い、経営の危機に瀕すする。

保険会社が経営の危機に瀕するだけならともかく、潰れてしまうと他の契約者は救われない。

保険会社が潰れないために再保険という仕組みもあるのだが、近年の災害被害額の高騰に再保険のコストも高騰し引き受けても減って再保険が十分に機能しなくなっている。

カタストロフィ債導入後、

人々は保険に入る=保険会社は保険を引き受ける→保険会社はカ〜債を売る=投資家はカ〜債を買う。

(ケースA)大災害が起きない(小さな災害は起きても)→保険会社はそこそこの保険金を支払い、十分にに儲ける→投資家は配当を受ける。

(ケースB)大災害が起きる→保険会社は莫大な保険金を支払い→投資家がカ〜債を買った金が保険金に充てられ投資家は元本を失う。



非常に大雑把だが、だいたいこんな感じのはずだ。

保険会社は儲けを投資家(カ〜債購入者)と分け合うが、損失も分け合うことでリスクを軽減する。

つまりカ〜債は大災害が起きて人々が不幸になれば投資家も不幸になる。人々が幸せならば投資家も幸せになる仕組み。大災害が起きて多額の保険金支払いが発生しても保険会社が破綻を免れれば他の保険加入者の保護にもなる。

とまぁ何だか良いことずくめのようだが・・・机上理論の金融商品で満ちた金融バブルが破綻した直後にこんな新手の金融商品を売り出し、多くの人がそれに飛びつくという現状が人々を「懲りてないのか?」という気持ちにさせる。

これで大災害が発生したら・・・近年ハリケーンが大型化してるようだし有り得ないことじゃない。投資家が大損するだけならいいけど、損した彼らが現金を確保するために他の投資を引き上げ株価が暴落・・・ってバブルの崩壊と同じプロセスでしょ、それ。