日中外交・一方的に殴られるのも有りかな・・・と

 尖閣諸島付近で起きた中国漁船トラブルに端を発する日中間の一連のゴタゴタ。

 日本の弱腰を印象付けたという見方もあるけど、別の見方もあると思う。

 日本が中国の強硬姿勢にあわせて同等の対抗策をとったなら、それはケンカ。ケンカは両成敗が原則。
ところが日本が何も強攻策に出なければ中国が一方的に殴ってるだけで日本は耐え忍んでいる状態。これはケンカとはいえない。中国だけが一方的に悪者、日本は被害者になってしまう。

 世間の見方は弱気な日本と強硬な中国だが、各国の指導部は事態をエスカレートさせない日本の対応を歓迎はしている。少なくとも事態をエスカレートさせる愚作よりはマシなのだ。

 中国の対応は例えばレアアースの対日輸出妨害。日本がレアアースを使った部品を作れなくなれば、出荷できなくなれば、その部品を組み込んでいる製品の生産に支障をきたす。そして現在日本メーカーの家電製品や電子製品の多くは中国の工場で生産されている。つまり中国人の労働者の賃金収入や失業問題に発展する恐れすらある。

 中国は複数のコブシを振り上げているのに、日本は何もしない。日本が同じ土俵に上がってこないので、結局中国は何の見返りも無く振り上げたコブシを下ろしてゆくしかない。事態は早期に収拾されてゆく。

 現政権がそこまで考えていたのかは解らないが(考えてないか・・・)



 相手の強硬策に強硬策でたいおうすると、たいていは相手がさらに強硬策で応じることになり・・・と事態がエスカレートし収拾が難しくなる。中国の強硬策に日本も強硬策で応じていたら、どうなったかわからない。同海域で日本の自衛艦と中国の海軍艦が睨み合うような事態に発展し、どちらかが何者かに魚雷攻撃を受けて沈むかもしれない。実は東アジアの不安定化を狙っている北某国が南某国の実戦配備の哨戒艦を撃沈した能力を発揮したかもしれない。
 事態収拾を望むのなら強硬策に強硬策で対応するのは愚作なのだ。