見た物と見ていないもの

 動画撮影のできるカメラの普及で、今回の津波では津波の現場の、まさにその瞬間の映像が随分沢山放送されました。スペクタクル映画がいくらお金をかけても、BGMも効果音も無いこれらのリアル画像にはかないません。
 こういう「本物」の映像を何度も見ていると真実を全て知ってしまったような錯覚に陥る。 しかし逆に、既に千人以上もの人が亡くなっていて、何万人もが消息不明になっているっていう重い事実については、相対的にピンと来ないものになってしまっていないか?
 テレビではどうしてもインパクトのある映像に重きを置く傾向があるし、観る側もインパクトのある画像には釘付けになるをこは否めない。
 でも瞬間のインパクトより、その後の被害実態の方がはるかに重要なのだろうが、やはり目で見た映像の威力は強い。