疑似超広角/スイングパノラマの勧め

 最近のデジカメにはパノラマ撮影機能がついたものが多くあります。



これは勿論パノラマ撮影をする為の機能ですが、この機能をあえてパノラマでない(横長でない)普通の写真を撮るために使うと、そのカメラが持つレンズの能力をはるかに超える超広角レンズで撮影したような写真が撮れます。

(文中の焦点距離、画角などの数値は35mm判換算の値で、一部はおおよその値です)



例えば焦点距離35mmのレンズでは画角は横53度、縦37度です(A)。このカメラを横に構えると画角の縦横が入れ替わり縦53度になります(B)。この縦53度という画角は焦点距離24mmのレンズに相当します。

焦点距離横の画角縦の画角
35mm53度37度
24mm74度53度
当然横の画角は小さくなりますが、それを補うのがスイングパノラマです(C)。

一旦横長のパノラマ写真を撮っておき、パソコンに取り込んでから左右の余分を切り捨て(トリミングし)ます(D)。
すると焦点距離24mmレンズでの撮影に相当する写真ができあがります(E)。



以下の写真は実際に試したもの。左が焦点距離26mmのレンズのソニーのDSC-W530を使い通常の撮影を行ったもの。右がカメラを横にしてパノラマ撮影し、トリミングしたもの。画角から考えて焦点距離17mmレンズで撮影したのに相当するでしょう。






焦点距離横の画角縦の画角
26mm69度50度
17mm93度70度
本来ならこのカメラでは撮影出来ない超広角の撮影ができるわけです。スイングパノラマの性質上、動くモノの撮影には向きませんが静止画像、風景画像には十分使えると思います。