株主総会は次もある

東京電力株主総会原発の廃止の提案は否決された。
最初から議決権の過半数の委任状を確保していたから当然の結果でしょう。では株主総会による原発廃止は不可能なのか?

そんなことはありません。適切な手段をとればできたかもしれないし、来年は出来るかもしれない。
今年の株主総会で個人株主の議決権は40%程度だったようです。個人投資家をもう少し増やせば良さそうに見えますが、そう行くでしょうか。


私が東電株を100株買えば個人投資家1票分増えるでしょうか?多分そうはいかないでしょう。


私が100株買うということは誰かが100株売るということです。誰が売るんでしょう?少なくとも東電に委任状を渡すような機関投資家ではありません。安心投資だと思って買たものの目先の急落で不安になった個人投資家でしょう。つまり個人投資家の名前が変わっただけで個人投資家の比率は変わりません。


ところで少々乱暴ですが個人投資家はすべて原発廃止派ということにしておきます。話が進みませんから


ここで目的を再確認しておきましょう。

東電が入手した機関投資家の委任状の数(議決権の数)が個人投資家の数(議決権の数)を上回ってるのが障害なのです。


これを逆転する方法は個人投資家を増やすだけではありません。機関投資家原発廃止に賛成してくれても良いのですが、それは簡単ではありません。

しかし機関投資家に委任状を発行しないようにしてもらうことはできます。


機関投資家のうち、ある程度は地方自治体です。地方自治体は資金運用のために株式を持っていますが通常は企業経営には口を出さず株主総会には慣習的に委任状を発行します。そこで地方自治体の住民は役所に委任状を出さないように陳情するのです。地方議会を巻き込んで委任状を出さない条例を制定するという強権発動も可能ですがそこまでする必要はないでしょう。

「xxxxをしてください」という陳情は予算や時間を確保できないと実現は難しいのですが、「委任状を出さないで」という陳情は予算も時間も人手も全く必要としません。

自治体として原発に賛成する訳でも反対する訳でも無く曖昧な態度を決め込めます。

これはあなたが東電の株主である必要はありません。あなたの住む自治体(村、町、市、県)が東電の株持っていれば出来ることです。

また地方自治体以外にも、あなた方が団結すれば委任状の発行を止める可能性のある機関投資家があります。健康保険組合や生命保険組合の類、農協の類、信金組合などの金融機関はやはり慣習的に委任状を出してきましたが、組合員の相当数が反対すれば委任状の発行は簡単に止めるでしょう。これもあなたが東電の株主である必要はありません。


東電の株を、議決権を持っていなくても出来ることはあるんです。株主総会は来年もあるんです。