飲酒運転に理解を

 福岡市東区で一家5人が乗った車が飲酒運転の車に追突されて幼児3人が死亡した事故から5年。

行政も市民も企業も飲酒運転の撲滅に力を入れているのに、福岡県は飲酒運転ワーストの汚名を返上できないばかりか、今年の2月には二人の高校生が飲酒運転の犠牲になった。
なぜ飲酒運転は減らせないのだろう。

飲酒運転

これが答えだと思う。
この話は前にも何度か書いた。これで3度目か4度目だろう。



 ゴキブリを駆除するのにゴキブリの生態をを研究し、弱点を理解し対策を練るだろう。 振り込め詐欺を撲滅しようとするとき、構成員を調べ、道具の入手や役割分担や金の流れを理解してから撲滅にあたるだろう。ガンの撲滅のためにはガンを研究し発生のメカニズムまで理解しようとするだろう。
 飲酒運転の撲滅にもちゃんと同じような考え方で取り組んだか?なぜ酒を飲む?なぜ酒を飲んで運転をする?なぜ飲酒運転が悪いと知ってて止めない? これらを理解したか?理解していないだろう。理解できないものとどうやって戦う?竹槍でB29が堕とせ時代はとうに過ぎた(いやそんな時代ははなから無かった)。

 飲酒運転にもイロイロあって啓発運動で減らせる部分もあったようだ。だから一時期に比べればかなり減った。だがある程度は減ったがそれ以上はなかなか減らない。それは一口に飲酒運転といってもいろんなタイプがあるからだろう。成人病にいろんなタイプがあるように、飲酒運転にもいろんなタイプがあり、このやり方で減らせるもの減らせないものがあるのだろう。啓発運動や罰則の強化で減らせる分は減った。だがそのやり方では減らせない部分がある。だから、ここまでやっても福岡県は飲酒運転は全国ワースト1位なのだ。1位か2位かは問題じゃない。単に他都道府県との比較の話だ。1位でなければ良いというものではない。だが1位であり続けるということは問題だ。

 なぜ飲酒運転を止めない?理解できない・・・理解しようとしないからだ。理解できない敵とどう戦えばよいのか。闇雲に鉄砲を撃っても無駄だ。東区の事故から5年。飲酒運転はあまり減らず、どこかで犠牲者が生まれる。闇雲に鉄砲を撃ってきた結果だ。
そうじゃない。まず飲酒運転を「飲酒」と「運転」を理解することから始めよう。まず敵の正体を知ること。確実に戦いに勝つには絶対に必要なことだ。

 従来の啓発活動など地道な活動を否定するものではない。啓発活動で飲酒運転はかなり減ったと思う。しかし致命的事故につながる悪質な飲酒運転は減っていないように見える。軽い気持ちの飲酒/酒気帯び運転が減った分悪質な飲酒運転が目立つようになっただけかもしれない。それでも少しでも減れば事故が起きる確率も減る。従来から行われている地道な飲酒運転撲滅のための活動はある程度の成果があったとは思う。しかし飲酒運転が激減したわけでなく、逮捕者はあいかわらず多く、事故は今後も起きるだろう。
 まず敵を知ること。飲酒運転を理解することが撲滅への確実な一歩だと思う。

(A) 飲酒した人間は正常な判断ができない。(だから事故につながる)
(B) 飲酒した人間に正常な判断(飲酒運転はしない)を期待するのは無理だ。なぜなら飲酒した人間には正常な判断ができないからだ。
(C) 「だから飲酒したら運転してはいけません」という啓発活動には無理が有る。正常な判断ができないことが前提の人間に正常な判断を期待しているからだ。
 三段論法にすらなっていないが矛盾していることは分かるだろう。無駄とまでは言わないがこのやり方では限界があると直感的に分かるのではないか?