今ごろムペンバ効果

ムペンバ効果(Mpemba effect)は特定の状況下で高温の水がより低温の水よりも短時間で凍る現象。

2008年7月9日放送の「ためしてガッテン」(NHK)の中で取り上げ以降
あちこちで「似非科学だ」とか「似非科学だと思う方が似非科学だ」とかイロイロ言われています。
現象自体は確認されているようですが何故そうなるかは未解明。
私はこのクソ暑い時分に冷凍庫のアイスを犠牲にして実験しようとも思わないし、そもそもムペンバ効果を説明しようなどとは思っていない。

しかし、実験で確認できるのに何故解明できていないのだろう?
もしかしたら我々は現象を誤解しているのではないだろうか。



「冷水とお湯を冷凍庫に入れた場合にお湯の方が早く凍る現象」と考えると「お湯」の方に何か未解明の現象が起きているように思える。

しかし「冷水とお湯を冷凍庫に入れた場合に冷水が凍るのが遅くなる現象」と捉えたら、何かが起きているのは「冷水」の方になる。
つまり解明するべき事象、解明の対象が間違っているのではないだろうか。



「お湯」の立場になって考えてみよう。
周囲は冷たい床や壁や冷気に囲まれている。さらに近くに冷水の入った器がある。これらは全て自分(お湯)より温度が低い。だから自分(お湯)は一方的に温度を下げようとする力だけが加わる。


では「冷水」の立場になって考えてみよう。
周囲は冷たい床や壁や冷気に囲まれている。しかし近くにお湯の入った器がある。自分(冷水)は床や壁から温度を下げようとする力を、お湯の入った容器からは温度を上げようとする力を2つの相反する力を受ける。



これは冷水の温度とお湯も温度が同じになるまで続くはずだ。
そして同じ温度になったときに冷水の温度を上げようとする力は消え、そこから冷水の温度が下がり始める。



解明すべき何かがあるとすれば、このあたり・・・実験開始から両方の温度が同じになった直後くらいまでの間に、お湯の方でなく冷水の方に有るのではないでしょうか。