シャアのザクはなぜ3倍速いか

 古い話だが、入院中は暇だし、いい感じのキーボードも手に入ったので一気に書いてみた。


 結論から言うと3倍速いのではない。シャアのザクは5倍も10倍でも速くなる。
 そもそも空気抵抗のない宇宙空間では加速しようと思えば燃料(*)の続く限りいくらでも(光速ちかくまで)加速できる。だが減速するのにも加速時と同じように燃料を必要とする。加速しすぎると減速用の燃料が足りなくなり宇宙の果てに飛んでいってしまう。それを防ぐため通常のザクにはリミッタが付けてあり一定以上の速度が出せないのだ。そしてシャアは自分のザクのリミッタを解除したのだ。


 ついでに言うとシャアは常に3倍速いわけではない。おそらく普段は通常のザクに1.数倍、速いときでも2倍出ててたかどうか・・・ただシャアは常に通常のザクより確実に速かったため『3倍速い?そいつはシャアだ』となったのだ。そんなスピードを出したのはシャア自身も初めてだったかもしれない。敵MSを初めて確認したあの戦いは無茶をせざるを得ない状況でもあったのだろう。


 命のやりとりをする戦争の道具に速度リミッタを付けて性能を落としたのか?という疑問。しかし当時連邦にはまだMSは無かったし、『最高速度』を制限しても戦闘に支障はなかった。また地球の引力に引かれて脱出困難になったような場合のため、リミッタを解除する仕組みは有ったと思われる。



燃料: ザクは動力源として小型の原子炉を持っており熱と電力ならほとんど無限に作り出せる。しかしそれだけでは宇宙空間で移動することはできない。 通常は何かを噴出してその反動で移動する。 例えば、ロケットエンジンのように燃料を燃やし、あるいは液体を熱で気化させ、その膨張エネルギーを一方向に噴射する。
 『燃料』とは、この膨張エネルギーの元になるもののことで『推進剤』ともいう。