死なない程度にガンばってん(4)

2010年の夏から冬にかけて治験の処方で治療を行った結果、胃の噴門のガンはかなり小さくなっているいることが分かった。

しかし大動脈リンパ節の腫瘍と肝臓の腫瘍は逆に大きくなっている。そこで後者2箇所に効く療法を求め治験の療法を打ち切りそっち方面に実績のある処方に切り替えた「処方A」としていこう。しばらくこれを行ったが効果が見られないということでさらに別の処方「処方B」に切り替えたのが2010の年末。週1回通院して点滴を受けるものだ。結果、効果見られたので現在まで続けている。

ただ「処方B」は開始直後はなんともなかったのだがしばらくして、苦しくなったり、頭髪がほとんど抜けたり
なぜか右足首だけ下にはチルトするが上にチルトしないという副作用に悩まさせる。このため一旦投薬を中止した。しばらくすると右足は回復し頭髪も生えてきたので薬の濃さを調整して「処方B」を再開し今日に至る。

 毎日痛み止めの薬を飲んでいるので自覚が無いが、ガンは体にかなりのダメージを与えているらしい。 薬を飲み忘れると分かる。痛いのとは違うが体が非常に辛い。今までに経験したことの無い辛さなので言葉で表しようが無い。仮に無理やり言葉にしても、それを聞いた人は自分が経験したことの無いタイプの苦痛を理解できるわけもない。強いて言えば、う〜ん、無理やり何か言うとすれば、自分の体の中で肉が溶け出し別の何かに変異してゆくような・・・苦痛。痛いのではない。

 点滴の後も似たような苦痛を感じることがある。常に感じるわけではないし、程度の差もある。全く平気なこともある。しかしこれらはあくまで体内のこと。 見た目には現れないので、私を病人だと認識する人はいない。少しだけ痩せたこともあり、実年齢よりかなり若く見える。バスの中で座りたいのだが…とても座れない。